満洲日記

今年88歳になる従姉妹の満洲で生まれ引き揚げて来るまでの記録です。

シベリア行き

昭和20年8月9日ソ連が中ソ中立条約を破棄

してから日本人の多くは逃げるに逃げられず

不安な日々を送っていた。

開元病院は開いていたが一般の日本人は来なかった。

6人の日本人医師が働いていた。

hiroの家は院長宅で部屋数もあった事から

八路軍が泊まったり

ロシア兵と一緒に暮らす事になる。

ある日母が「今日はね。お父様と別れる日だからご挨拶してらっしゃい。」

と言う。

なんの事かわからず父の側に集まると

玄関から色白の青年医師が飛び込んできて

「先生は行かないで下さい。沢山の子供さんがおられるし僕は独身なので僕がいきます❗️」

と言われた。

後で聞くと父はシベリアへ行かされる所だった。父の身代わりに若い医師が行った。

その後無事に帰って来れたかわからない。