まだオムツをしている頃母親と2人で一時帰国をしている。
本人は小さくて知らされてなかったが日本に
幼い姉と兄を置いて満州に両親は渡った。
今思えばその子達に会いに行ったのだろう。
仕事が落ち着いたら呼び寄せようという事だったらしい。
その2人が誰かという事は小さすぎてわからないまま日本での何日かすごした。
覚えている事は祖父母が同じ方向を向いて
正座してラジオから流れる株式市況をきいている姿だった。
1人はメガネを鼻の所までずらし
もう1人はおでこに掛けていた。
その姿がとても幼児には印象的だった。
「何で株式市況だとわかった?」と聞くと
大きくなってラジオから流れてくるあのリズムは何?
と母に聞くと教えてくれたという。