数学者で「国家の品格」と言う本でも知
られている藤原正彦氏の母は5歳の兄 2歳の本人生後1ヶ月の妹の3人を連れて
日本まで帰ってきた。
新京から脱出するときは屋根の無い無蓋車で豚みたいに詰め込まれた。
上からは雨が降って来る妹かおしめを濡らして泣くと「臭い!」と怒鳴られた。
そうやって宣川と言う所に辿り着いたが
鉄道はストップしていてそこで物乞い同様の暮らしを強いられた。
ここで死ぬくらいなら少しでも故国に近い所で死のうと38度線を突破する覚悟をする。皆決死の覚悟でケソンという町に辿り着いた。
21年8月下旬木の生えてない赤土の山をいくつも越えた。
雨が降ると滑る。今でもその時の傷痕が足に残っている。
38度線を越える時夜になるまで物陰に身を隠した。
赤ん坊泣いたらものすごく怒鳴られ
仕方なく窒息死させる者もいた。
川を渡った
それ自体記憶にないが今でも川が怖いという。